自分がマフィアとの血縁を持った人間だと知ったのは、まだ年若い、十代半ばのことだった。
 何をやってもまるでダメな自分に対し、当時付いていた渾名は「ダメツナ」というまさしくその通り、動かしようのないもので、反論する気さえ起こらなかったのだから、多分この辺りからしてすでにダメ度全開な人間と他からは見えていたのだろう。思い出して自分でもそう思うのだからいろいろと納得だ。
 それから十年の刻が経った。
 様々な経験と出来事を経て、今ではあれほど敬遠し、拒絶していたマフィアのボス、ボンゴレ十代目となり、そこに腰を落ち着けている自分がいる。世の中、まったく何がどう転ぶのか本当によくわからないものである。
 母親には、父親の跡を継いで世界中の石油を掘っているのだと嘘をついてイタリアの地にて裏稼業の業務に日々奔走している。
 任に就いた当初は実家へと帰ることもしばしばあったが、ここ数年は色々忙しく、それにかまけて結局帰る暇なく、すっかりと母への不義理を通してしまっている。
 時折指定している所在地に米やら味噌やらなにやらと、懐かしい日本食のあれこれを詰め込んで送ってきてくれる親心にしんみりと泣けてきたりもするのだが、いかんせん、忙しくしている本当の理由など言えるわけもなく、あの何事にも大らかな母のこと……言えばあっさり受け入れてくれそうな気はするが、マフィアなんて職業、普通よりも過度な心配をかけてしまうことに変わりはない。
 ならば息子は遠い空の下、今日も元気に石油を掘っているとそのまま思ってくれているほうがまだマシだ。
(……母さん、こんな不義理な息子をどうか許してやって下さい)
 代わりに月に一度の便りは必ず欠かさず送るから。
 そこだけはあの万事不精な父親と重ね合わせられたくなく、それがイタリアに発つ日までずっと優しく自分のことを見守り、育ててくれていた母へと今の自分が出来る精一杯のことでもあった。
 母への感謝は毎年毎年、年が過ぎる度に重くその質量を増し、深く深く心に募ってゆく。
 母はきっと遠く離れた地に一人残され、寂しい思いをしていることだろう。自分には学生時代からの旧友たちが何人かそばにいてくれ、大切に自分のことを守ってくれる。だが母には、月に一度届けられる…たった一通の手紙があるだけだ。守り、支えてやる者がいない。
 独りきりであの家にいる。
(でも……それもあともうちょっとだから)
 もう少ししたら父の家光も、その長年の任を解かれる。
 普通の職業でいうところの所謂、定年退職。
 そうしたら父も日本に帰って、母と一緒に残りの余生をつつがなく送ってくれることだろう。賑やかな父とそれを楽しむ術を知っている母のことだ。きっとあとには幸福な日々が待っている。
(…うん。もうちょっとだから。待ってて、母さん)
 そうやって遠く離れた故郷に思いを馳せるとき、綱吉は懐古するその優しい記憶の数々に身体の奥で、枯れた木の葉の掠れるような物悲しい音を時折聴くこともあったが……自分がここにいる、その現実を選んだ自分と決断した過去の自分を後悔することは一度としてなかった。
 ただ、いつか帰りたいと思う。
 いつか、父のように―――大切に置いてきた彼の地へと、帰ることが出来たなら、と。叶うかどうかもわからないそれを胸の奥にひっそりと心密やかな願い事として置いている。その心は、思えば滲むようなあたたかさをいつでも自分に灯してくれた。
 だから今はそれでいい。それで充分なのだ。
 こん、と部屋のドアが叩かれた。
 顔を上げず、
「開いてるよ。どうぞ」
 物思いに馳せていた表情を一瞬で切り替え、手元の書をキリの良いところまで書き上げてペンを置く。それからゆるりと顔を上げると、扉から思った通りの人物が顔を覗かせようとしているのが見えた。今や馴染みとなった青年、自分を守る守護者のうちの一人――六道骸の姿が。
 かつては死闘すら繰り広げた相手にふわりと綱吉はその相好を緩める。
「おかえり、骸。そろそろだと思ってたけど、予定よりはちょっと早かったね」
「ええ、そうですね。ですがあなたの希望通り、業務は滞りなく済ませてきましたよ。予測が外れたのは相手があなたの予想以上に随分と軟弱だったからですね」
 柔らかい物腰とはあまりに不釣合いな、物騒な物言いに聞いていた綱吉はすぐに表情を安堵から不安げなものへと変えた。胸に滴り落ちる嫌な予感につと眉根を顰める。
「…………一つ、聞きたいんだけど、」
「安心して下さい、殺しはしていません。ただあまりに物分りの悪いお馬鹿さんなので、ほんの少しだけ痛めつけてきただけのことですよ」
 訊く前に寸分違わずこちらの思いを汲み取り、応えてくる男に、綱吉の表情はますます渋くなる。それはつまり、と思いながら、「ど、どの程度に…?」おそるおそる問いかけると、
「もう二度とこちらに歯向かおうなどと愚かなことを思わない程度には」
 何ら怯むことなくはっきりきっぱりそう言い放ったのち、
「ああ。でも大丈夫です、安心して下さい。死んではいませんから。死んでは」
 殊更強調するように繰り返される言葉に、綱吉はますます血の気の引いた顔で頬を引き攣らせた。俄かに頭痛を覚える。
「骸……」
「はい。何ですか?」
 悪びれもなくそれに骸は応える。ああ――そんな、いつも通りのことだとはいえ。
「………やりすぎ」
 溜め息を吐くよう、言って、目の前の困った部下を軽く睨むようにして見据える。対する骸はというと綱吉の苦渋に満ちた胸中を知っていながら、平然と、微笑みすら浮かべて立っている。……わかっているのだ。こうやって注意しながらも、もはやどうしようもないことに結局すでに自分がそれを諦め、許しているのだということを。
 重い裁きを口に出来ない自分の甘さを、骸を筆頭に守護者たちは皆許容し、その代償を自分の代わりに払ってくれている。だから注意することはできても責めることはできない。本当に責められるべきはいつまで経ってもこの世界に対し甘いことばかりを口にする自分なのだ。
 けれどそんな自分を、守護者たちはこぞってそれでいいのだと言う。それでこそボンゴレ十代目であるのだと。
 他にはわりと厳しいことを言うくせに、自分に対してだけは皆揃ってそう口にする。結局のところボスであるという肩書きを抜きにしても彼らは自分にとても甘いのだ。
(こいつ筆頭に)
 飄々と佇む骸をじっと見つめ、改めて実感する。
 他に甘いボスと、他に厳しい守護者たち。
 ちぐはぐ感はあれど、ファミリー構成のバランスとしてはきっとこれでなんとか統制は取れているのだろう。
(ほんと、オレには勿体無いくらいの出来た守護者たちだよ)
 思い悩むことは多々あるが、現状においての問題がそれで特にないのであれば、もうこれは、これ以上落ち込むところではない。
 それよりも帰還した骸にまだ労いの言葉一つかけていなかったことに気付き、もう一度軽い吐息を吐きながら、綱吉は低迷する自身の気持ちをそっと入れ替えた。
「………とりあえず、お疲れさま。無事に帰ってきてくれて嬉しい、良かったよ」
「おや。それは君が少しは僕のことを心配してくれたということでしょうか?」
「してたよ。…当たり前だろ」
 六つに異なる守護者の特性の中で、骸のそれは実体の掴めぬ「霧」という、他の仲間とは一線を画するような性質にあり、その戦闘能力も高く抜きん出て目立つものである。かつて敵として戦い、勝利した後に彼の戦いの場を幾度か見たことがあるが、なんでオレこんな奴に勝てたんだろう―――と、その度に何度もそう心から思わされていた。だから、だから綱吉はついうっかりと失念していたのだ。
 いくら六道骸という個体が傍目に超人的であっても、彼の肉体はけして人知を超えたものではないのだということを。
 それは今から三年ほど前の冬のことである。
 任務に出た骸が珍しく傷を負って帰ってきたことがあった。
 幸い生命に関わるようなものではなく、ごく軽度の裂傷であった。けれど不覚を取った原因が体調を崩しての不注意によるものだと聞かされたとき、綱吉は頭から冷水を浴びせかけられたような衝撃を受け、そんな気持ちをそこで初めて味わうに至ったのだ。
 ずっと共に在って、守ってくれて、いつでも過剰なほど完璧に任務を遂行してくれて―――それが当たり前のように思っていた彼もまた、只の「人間」であったのだと。
 綱吉はその時まで当たり前のことを当たり前と捉えきれていなかった自身を自覚し、その後、ひどく己の意識を恥じ入った。
 そうだ。骸だって人間であるのだから時に体調を崩すこともあるだろう。そうしてそれが任務に支障をきたすものになることは充分考えられ、もしかしたらあの年、運が悪ければ彼を喪っていたかもしれない可能性だって、無きにしも非ずだったのだ。けして否めはしない、この世界においての絶対がどこにもないように、人間であればどんな失敗をするかなど、その時になってみなければ皆わかりはしないのだ。
 到底、わかるものではない。
 特にこんな裏社会において何の保障もないような道ならば尚更。
(もうあんな怖い思いはこりごりだ)
 たとえ強いといっても皆、人間。
 大したことはありませんと言って笑っていた骸もそれは同様に。
 大したことないなんて言うなとその時は叱り付けることでなんとか身体の震えを抑え、誤魔化したが、あの年のことを思い出すといつでも微弱な震えは愚かな自分を嘲笑うかのように舞い戻ってくる。そしてその都度、自分は思うのだ。
(……今、骸がここにいてくれて良かった)
 生きていてくれて良かった、と。
 こうやって、当事者である骸を前にすると、大抵いつも自分はその時のことを突然思い出してしまう。任務後の後は特にそれが顕著だ。あの冬のことはもしかしたら自分にとって軽くトラウマになっているのかもしれない。自身の誇りをも傷付けられたと思ったか、あれから一度も骸は目立った外傷を作って帰還したことはないというのに。
「ボンゴレ、どうしました?」
 目敏く綱吉の異変に気付いた骸がさらりと軽く問いかけてくる。三度目の溜め息。今度は胸中のみで舌打ちもつけて。
(ほんとこいつ鋭いよな)
 表情に出したつもりはないというのに、骸のそれはボンゴレの血が宿す、超直感並みの鋭さがある。
(骸相手には隠し事出来ないってことか……)
 けれどそれは自分ばかりが、というわけではないから、別にそれほど不公平には思わないけれど。
 骸の調子が悪い時は綱吉もまたそれに気付く。目にすることさえ出来れば気付くことが出来る……出来たのだ。
「あー……何でもない。うん、ほんとお疲れ、しばらく任務もないと思うからゆっくりしてていいよ」
「……それはこちらの台詞のような気もしますけどね」
「へ?」
 近付いてきた骸の手が不意に、まるで熱でも測るかのように優しく額に触れた。置かれる。そうして伏せた瞳の奥から静かに見つめられ、その翳りを帯びた眼差しに何事かと困惑していると、
「顔色があまりよくありません。……いない間、きちんと休んでいましたか?」
 休めと告げたばかりの当人にそんなことを逆に言われ、一瞬きょとんとしてから、以前の彼ではとても考えられなかったその温かな気遣いに、それから自然と苦笑いが口の端から洩れ落ちた。
 ボスに対し、全体的、総括的に甘い守護者たち。
 それは例外に洩れず骸もまた然り。
 彼も自分にはとても甘い。甘すぎて、時に問題に思うほどで、困ることも多く、けれどそれでも最後には微笑ましく思わされる。優しい、と素直にそう思わされてしまうのだ。
だからこの時も。
「お前……母親みたいだぞ、それ」
 生来の気性から、呑気に、そして笑いながら綱吉は自身に向けられる気持ちにそう深く考えることもなく答えた。
 少し吃驚したように左右色違いの瞳が瞬く。
 が、それも束の間。すぐに何か物言いたげにじとりと見つめられ、その一瞬後に決断は迷いもなく行動に移されていた。相好を崩す綱吉の額、たった今までそこを覆っていたその手、その指先により何の予告もなく唐突に、ばちん、と弾くことによって。
「った…!?」
 あまりにも突拍子のない攻撃に、受けて即座に狼狽の眼差しを男へと向けた。驚いた。弾くというかこづくというか、なんというか―――ああ、まさかこの歳になって額にデコピンされるなど。
「む、むく…ろ…?」
 だが唖然とする間すら攫うように。
 そして響きだけ聞くとまるで歌うように。
 君は、と前置きされて。
「―――人が本気で心配しているのに、まさか言うべきことがたったそれだけとは夢にも思いませんでしたが、僕は君の母親、奈々さんではないので君をこれから休ませる為にベッドに押し込もうとした場合、奈々さんではないので、多分押し込むだけでは済まないと思いますけど、それでも君は、僕を『母親』のようだとでも?」
「……………」
 半眼ジト目で見つめられ、思わず沈黙でもってそれに応じる。
 ……たった今。
 今、かなり論点がズレた。それがわかった……わかったが、それでも怖くてそれを指摘することが綱吉にはとても出来なかった。
 物言いたげであった男の瞳が今や完全に据わり、自分がたった今彼の地雷を笑顔で踏んだことに遅まきながらようやく気付いた。
 迂闊。
 また失敗した。
 背筋に冷汗が滲む。
 そんな自分に、骸の視線は固定されたまま微動だにしない。というより逸らす気配が一切ない。蛇に睨まれた蛙のような気分とはおそらくこういうことを言うのだろう。
「本当にそう思っているのなら、別に試してもらっても僕としては一向に構いませんが」
「たっ、試さなくていい試さなくて! おもっ、思ってないから!」
 やるといったら本当にやりかねない男の剣呑な眼差しに、慌てて綱吉はずさりと背後の背もたれに思い切り、できる限りその身を寄せた。寧ろ竦ませたといったほうが表現としてはより正しい。
 そんな怯えた様子の綱吉をしばらく黙って見つめていた骸は、やがてふうと息を吐くと、「…冗談ですよ。本気でしたけど」と、まったくの矛盾を堂々宿した台詞を吐きながらその瞳から不穏当な気配を静かに消した。若干の余韻は残しながらもそうして空気が元に戻る。それに綱吉は心底ほっとする。
(た、助かった……っ)
 骸の冗談は基本的にイコール半分以上「笑えない本気」だ。
 それを嫌というほど綱吉が知っているのには、長年の付き合いとはまた別にある一つの理由があった。冗談で済んでいれば本当によかった……と心底から思えるような、そんな理由が。
 知らず眉間に皺が寄る。本当はあまり話題に出したくないところではあるけれど。
「………オレが言うのもなんだけど……やっぱりおかしい。なんでオレなの」
 先の骸のような軽い溜め息を零す。否、零さずにはいられない。そんな自分にやはり堂々と骸は告げるのだ。何をもってそんなに自信に満ち溢れているのか、正直ほんとによくわからないが…スウッと獲物を見つけた獣のようにその眼を細めて。
 くつりと間近で咽喉が鳴るのが聞こえた。あまり良い通りではない笑い声。何度も繰り返した問答。笑いたければ笑えばいいとでもいうような。
「まったく。まだそんなことを言ってるんですか。いい加減何度も言っていますが、君が君だから、ただそれだけのことですよ。わかりませんか?」
「………わかんない」
 ああ――本当にわからない。男のオレから見ても格好良いとしか形容のできぬ非常に整った顔立ちをしていて、普通に立っているだけでも充分人目を引く、稀にみる美貌の持ち主―――
 そんな男が。
 一体何故、自分のような平凡な……
「わかんないよ…そんなのじゃ」
「……まあ、それならそれで、気長に行きますけどね」
 弾いた額に再び影が射す。
 細く長い指によって前髪をすっと横に掻き分けられた。見下ろしてくる瞳の中には穏やかなものが見える。幸福と、そう呼ぶものなのかもしれない。わからないが、なんとなくそう見え、そう思えた。それはそんな優しい感情を向けられている当人だから特にそう思うのか。
 かつて世界を壊そうとしていた男のものとは到底思えぬ柔らかな仕草。
 その凄惨な過去を知る自分としては骸の変貌ぶりはもう見慣れたこととはいえ、相変わらず変化の激しさに戸惑うことも多い。
 怜悧で残酷。凍てついた氷のような冷たい感情ばかりで動いていた男を変えたのが甘い現実ばかりを口にしていた自分なのだという。……本当によくわからない。自分の一体何がどうしてそこまで男の心を変えるきっかけとなったのか。皆目見当もつかない。だがそれでもそれは紛れもない事実であり、まごうことなき現実であるのだ。そんな事実と現実のもと、誰もが見惚れそうな甘い笑顔を何の裏表もなく、ごく自然に向けられる。
 打算をよく知る大人のようでいて、純粋さの固まりのような、そんな笑みを。
「好きですよ、ボンゴレ。愛してます」
「…………」
 前髪を掻き分けた指がそのまま頬へと滑り落ち、慈しむようにツイと表面を撫でた。嫌悪はない。情を籠め、柔らかく触れてくるだけの手にそんなものは一切、一欠けらだって浮かんではこない。「母親」では納得できない理由―――それが親愛からのものではなく、恋慕の情であるからという、たとえそんな事実がそこにあっても、だ。種類は違えど綱吉だって骸のことは好ましく思っている。長年の情というものがあるのだからそれは当然だ。
 自らの労よりもまず先に、いつも綱吉のことを労わってくれ、心地よい甘さで疲弊した心を癒してくれる、そんな自分の守護者。
 六道骸。
 たとえ過去に酷いことをしてきているとはいえ、現在の骸は、今や自分にとってかけがえのない、失えない大切な存在となっている。ただ綱吉のその気持ちは家族としての好感であって、男と同じものではないというだけの話。…愛ではあるのかもしれない。
 親愛という名の、家族愛。
 だから常識やら道徳、倫理観の問題で骸の気持ちを否定する気はないが自分が男と同じ想いをもてない以上、その気持ちを受け入れることはどうしても出来ないのである。
 それでいて、離れたくない。
 離れてほしくはない。
 随分と図々しく、身勝手な言い分だと自分でも思う。求められ、はっきり答えは出ているのに突き放すことはせず、ただ甘やかされるだけ甘やかされ、問題を曖昧にぼかしている。そうして卑怯な自分は今日もまた、前にも後ろにも行けない、どこにも逃げ場がないことを承知の上で触れてくる男の手の優しさにどうしようもなく甘えてしまうのだ。
 微笑むと、骸もまた小さく微笑んでくれると知っていて。絶対に男が離れてゆかないことをそこで確認しながら、
「……ありがとう、骸」
「いいえ。構いませんよ」
「………うん」
 そして繰り返す。
 ただ一言。
 ―――――ごめん、と。
 何の免罪符にもならぬそれを。







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